牧阿佐美先生「お別れ会」

9月6日、新国立劇場中劇場にて故牧阿佐美先生の「お別れ会」が行われた。

 

1月に予定されていた「お別れ会」は当時のコロナ感染拡大によって延期を余儀なくされたがこの度は無事に行うことができた。

 

写真上右のように劇場のステージには真っ白な菊の花で祭壇が設置され、中央に建てられた牧阿佐美先生のお写真は参列者の私たちをにこやかに見つめておられるようであった。

 

参列された主要な方々による”お別れの言葉”の後、喪主の三谷恭三先生が参列された皆様に向けてご挨拶の言葉を述べられた。

 

三谷先生は用意してきた”ご挨拶”の原稿をマイクの前にて淡々と読みあげておられたのだが、その声には心なしか寂しさが響いているようで、気が付くと私の目には涙が溜まっていた。

 

最後に献花が行われ、私も順番に阿佐美先生にお別れの献花をした。

 

その瞬間・・・ああ、もう阿佐美先生はいないんだわ・・・と、急に実感に迫られたようの感じ、またまたの涙であった。

 

想えば1970年に入団してから50年余りを師と仰ぎながらも、時には親しい女同士、時には私の厳しい母親で、時には私が先生の懐刀になるべく、、ともに濃い時間を過ごさせていただいた。

 

私の父は私が23歳の時に他界し、母は私が32歳の時に他界したので阿佐美先生と過ごさせていただいた時間は両親と過ごした時間よりもはるかに長い。

 

出会いは別れと裏表で、だれとでもいつかはお別れしなくてはならないのは承知している。

 

死後の世界が本当にあるのか?無いのか?は誰にもわからないが、今は ”ある” と信じている。

「お別れ会」なのでお別れしたが、やっぱり私の心の中は

 

「阿佐美先生、また会いましょう! アビヤントゥ!」