ルーマニア国立バレエ(ブカレスト国立歌劇場)が牧阿佐美振付け「ライモンダ」全幕の招聘を依頼した。
海外のバレエ団が創作作品ではなくヨーロッパが本場である古典の全幕作品を日本から逆輸入することは極めて珍しく、日本に於いては今回が初めてのことであった。
「ライモンダ」は牧先生が新国立劇場バレエ団の芸術監督を担っている間に制作された古典の全幕作品で、この作品は好評を博して現在までに何回も上演回数を重ね、昨年6月にも吉田都芸術監督のもと再上演されている。
昨年、牧先生はルーマニア国立バレエにおける振付け指導の責任者として西川貴子さんを指名された。
西川さんは新国立劇場バレエ団にて現役ダンサーであった際に「ライモンダ」の初演から現役を引退するまでの間のすべての公演ではソリストを踊っていた。
西川さんはルーマニアにての約1か月半の滞在期間にバレエ団員及びスタッフとのハードで濃密なリハーサルを重ね、4月9日に無事に初日を迎えた。
この度ルーマニア国立バレエ団においては新制作となった「ライモンダ」の上演は大成功で、日本大使による舞台上にての挨拶の際には牧阿佐美先生の功績も称えられていたとの報告があった。
このような喜ばしい報告を牧先生がこの世で受けられなかったことは本当に残念極まりないと思う。
が、しかし、きっと牧先生は天国にてさぞ喜ばれているに違いない・・と私は確信している。
「阿佐美先生、おめでとうございます!」
*写真左:ブカレスト歌劇場観客席 *中央上:バレエ団員の日本人ダンサーとセンターに西川貴子さん
*写真右:ルーマニア国立バレエのダンサーとスタッフに前列に西川貴子さん
*写真中央下:スタジオ内にて西川貴子さんとバレエ団ダンサーとのリハーサル