牧先生が逝かれてから早くも1ヶ月あまりが過ぎた。
この一か月は自分が自分でないような不思議な一ヶ月だったようにも感じる。
今日、久しぶりにゆっくり外の景色を眺めたら雪化粧をほどこした富士山が目に入ってきた。
富士山はいつ見ても美しい。
空のほどよい青さを背景ににすっくと佇む姿は清々しく、心まで洗われる思いであった。
想像を絶するほどの多忙且つ有意義な生涯を駆け抜けられた牧先生。
・・・先生は私達弟子にとっては富士山のように、清々しくも雄大で厳しさと優しさで見守ってくれる存在でもあった・・・などの思いが頭を過り、まだなにかにつけて牧先生とのお別れが出来ていない自分に気が付いた。
そして、その時思った。お別れはしなくていい。
・・・これからは私にとっての牧先生は心の中の富士のようにいつも凛として存在し、折々に語り掛け、支えてくれるに違いない・・・と。
「牧先生、まだまだこの先どうぞ宜しくご指導お願いします!」