何時からか我が家では朝は必ずテレビを付けてNHKを流している。
朝食が終わる頃にNHKの<あさ イチ>が始まると、今日のゲストは世界的な指揮者の小澤征爾さんだった
いつもはさほど真剣には見ない番組だったがゲストが小澤征爾さんとなると俄然興味が沸いてきて朝食の片付けもそこそこに私は食卓の椅子をしっかりテレビ画面の方向に向け直して見入った
久しぶりに眼にした小澤さんは痩せられて老け込み方が著しく、少し哀れにも見え
・・・世界の小澤征爾も病には勝てないのかしら?・・・
と不安な面持ちでトークが進むのを見守った。
しかし、しかしである。
小澤さんは音楽の話になるやいなや眼に顔にも鋭気が宿り初め、生き生きと身振り手振りで話し、彼の音楽に対するほとばしるような熱い情熱が画面の外側にいる私にまで伝わってきたのだ。
小澤さんの
「音楽はただ楽譜通りに演奏すればいいのではなく言葉と同じで云々・・・」から始まった理想や概念の話は私達バレエの分野にも大いに通ずるもので私の心は心地よく弾んできていた。
・・・なんて素敵なこと、なんて素敵な人!・・・
私はもともと小澤さんのファンではあったが改めて尊敬の念が深まり、同じ日本人であることに誇りさえ感じた。
思わず慌ててスマホをセットし、キャスターに向かって生き生きと話す小澤さんをカメラに収めたのが上記の写真である。
小澤さんはご自身の芸術を世界に配信するに留まらず、子供達の中に音楽の心を育てることにも情熱をそそいでくれている。
彼の才能と芸術が将来を担う日本の子供達に少しでも多く伝わることを私は願って止まない。