バレエ「三銃士」

牧阿佐美バレエ団公演「三銃士」が3月4日~5日に東京の文教シビックホールにて開催され、好評のうちに幕がおりた

 

今回ゲストダンサーとして招聘されたのは元英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのイヴァン・プトロフ氏で、初日にはダルタニアン役、2日目にはバッキンガム役と二役を引き受けての大活躍であった

 

ダルタニアン役の時には、コンスタンス役の青山季可さんとの流麗なパ・ド・ドウをロマンティックな踊りっぷりで客席を魅了し、ミレディ役の日高有梨さんとはアンヌ王妃のネックレスを巡っての格闘シーンでワイルドなパ・ド・ドウを品良くこなしてドラマ性を盛り上げた

 

プトロフ氏は3年前の「三銃士」にもダルタニアン役で招聘され、私のスタジオの講習会で特別ゲスト講師として招聘したこともありより親しみ深く、この作品のバレエミストレスである私としては日々のリハーサルからGP・本番までを楽しみながら仕事をさせてもらえた

 

「三銃士」は故アンドレ・プロコフスキー氏の振り付けで元々の振り付けでは現在の終幕の箇所から更に20分程のドラマがつながっていた

 

・・・コンスタンスはロシュフォール率いるバッドボーイ達に拉致されるもののダルタニアンと三銃士達に助け出されて、一見 ”目出たし、目出たし” と思いきや、ミレディが仕込んだ毒薬入りの水でダルタニアンの腕の中で死んでしまう・・・という一寸物悲しいけれどいかにもフランスのドラマらしい終幕であった

 

何回目かの上演の際、振り付け者であるA・プロコフスキー氏より「コンスタンスの拉致シーン以降をカットしてほしい」との依頼があり、現在のバージョンとなった

 

カットして欲しい理由が何であったにせよ私個人の想いとしては近い将来、アレクサンドル・デュマの「三銃士」の原作に近い完全版での再上演を大いに期待して止まないのである