舞踊愛好家の藤井修治氏を偲ぶ<お別れ会>が11月18日(水)神保町に所在する ”如水会館” にて行なわれた。
藤井氏は東京大学法学部を卒業後NHKに入社した。
事務関係からは早期に移行して音楽・舞踊関係のディレクターとして手腕を振るったようだ。退社後は舞踊愛好家としてバレエ・日本舞踊・現代舞踊などに深くかかわり、舞踊芸術の発展に尽力された。
ここでは特に藤井氏がNHK時代に「NHKバレエの夕べ」を担当して、彼の持つ芸術への深い知識によっての成果を私なりに語らせていただこうと思う。
1960~1970年代にかけて、恒例のように行われていた「NHKバレエの夕べ」はその都度劇場に於いて華々しく開催され、バレエ界のみならず人々の話題にもなった。
さらにはテレビで放映されたことにより、当時一般の人々には<特殊>と思われ勝ちだったバレエを人々がより間近に親しめる舞踊となることに貢献した。
そんなある日、「NHKバレエの夕べ」に出演する大滝愛子先生振付の創作作品を下見するため、藤井氏自らが逗子のスタジオまで出向いて来たときにお会いしたのが私と藤井氏との最初の出会いであった。私が16歳の時である。
その後、大滝先生のもとを離れて東京バレエ劇場に移籍し、フランス留学後に牧阿佐美バレエ団の団員となっても藤井氏との関わり会いは途切れることなくつづき、その間に様々な貴重なアドヴァイスをいただいてきた。
私にとっては勿論のこと、舞踊界にとっても貴重な方を失い残念なことこの上ない思いが溢れる。
今は静かな眠りに就かれた藤井氏に心からの感謝を捧げ、ご冥福を祈るばかりである。
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