10月15日文京シビックホールにおける牧阿佐美バレエ団公演による上演作品は「牧神の午後」(写真左)と「ジゼル」全幕(写真左)。
”平日19時開演” ということもあってか客席はちらほらと空席が目についたが、上演作品の出来栄えは二作品ともに良かった。
もちろん理想を掲げればまだまだダンサーたちには注文があると思う。
でも主役をはじめとする全員が、それぞれの持ち場において彼らの持つ力の全てを出し切った。
「ジゼル」には「眠れる森の美女」や「白鳥の湖」とは一味も二味も違う難しさがある。
後者は宮廷内のシーンもあって華やかな衣装・装置にも助けられるが、前者は第一幕も二幕も情景こそは違うもののどちらも森の中でのシーンに終始する。
他の古典作品に比べるとストーリーはドラマチックでもやや地味なイメージが濃いだけにダンサーたちには特に質の高さが求められるが、今回は何とかそのレベルに達したと私自身は思っている。
牧バレエ団においては初上演となる「牧神の午後」(振付:ドミニク・ウォルシュ)はドビュッシーの神秘的な名曲に、溶け込むような感性そのものを身体と動きで表現した斬新かつロマンを感じさせる素敵な作品であった。(もちろんダンサーの奮闘もあるが・・・)
振付者のドミニク氏は生後7ヶ月になる愛娘のBちゃんを伴っての来日で、リハーサル中もスタジオに連れてきて時には彼女を片手に抱えながら指導するほどの愛情ぶりだった。
公演当日はステージにも楽屋にも緊張感が漂っている最中、Bちゃんの存在は私たちスタッフばかりではなく団員全体の気持ちを和ませてくれたのは確かだ。
Bちゃん、泣くのを我慢してくれてありがとう。
ダンサー、スタッフの皆さま、お疲れさま!
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