年の初めに

新年の1月2日、私は毎年牧阿佐美先生のご自宅にお年賀のご挨拶に伺います。

 

今年は早急に今後の仕事の打ち合わせも必修・・・ということから牧バレエ団のバレエミストレスでいらっしゃる沢田加代子先生と二人で伺うこととなりました。

 

私が朝10時に家を出るとこの時間帯はいつも箱根駅伝を見物するために国道へと急ぐ人達で賑わっています。私はというと興味はあるものの牧先生宅で会食するためにオーダーしてあるお弁当を受け取るべくデパ地下へと急ぐのです。

 

ところで先ほどご紹介した沢田先生は私の現役時代からの仲間でもあり、彼女のご主人も元ダンサーで私とは何回もカップリングを組ませていただいた仲でした。

牧先生宅の最寄り駅の地下鉄改札口で待ち合わせた私達二人は久しぶりの赤坂近辺をおしゃべりをしながら牧先生宅へと向かいました。

 

お宅に到着すると牧先生がドアーの外まで出て待っていてくださり、私達は恐縮しながらも新年のご挨拶を交わして後、案内された椅子に腰を下ろし何気なく窓に眼を移せば、なんと毎日我が家からも眺めている富士山がビルの谷間の上にひょっこりと頭をのぞかせているではありませんか・・

 

「あら!こんなに良く富士山がみえましたかしら?」

「今日は特別にハッキリ見えるわねー」と牧先生

 

携えて行った懐石弁当をテーブルに並べると、厨房から三谷先生がお茶を運んできて下さったので「えー?先生!私達がしますので・・・」というと

「いいの、いいの、今日はお客さんなんだから」と優しい笑顔でお茶をセットしてくださったのです。(お正月はやっぱり特別?)

 

食後は楽しい雑談とバレエ団の今後のスケジュールや抱負で話しは弾み、気がつくと時計は4時をまわっていました。

 

私と沢田先生は思いの他お元気だった牧先生に「阿佐美先生のお年を考えるとやっぱりあのエネルギーは凄いわねー、あやかりたい!」などと話し、年一回の貴重な4時間をあとに帰路についたのでした。